2014年12月3日水曜日

[NYへの旅] 25. MPDとチェルシー・マーケット

3月27日(水) その3
午前中のグラウンド・ゼロの観光は重かった。
「気分転換をしたいね」と、地下鉄のEラインに乗り、4つ目の14ストリートまで行く。この辺りで昼食を済ませ、午後はハイライン・ウオーキングをする計画だ。

ニューヨークの精肉加工場が集まっていた一画は、その名もずばり「Meat Packing District=MPD」と呼ばれている。今はすっかり変わって、新進気鋭のデザイナーがブティックを開き、ファッションの最先端を牽引しているらしい。ニューヨークに住む人はじめ、観光客も集まっている地区だという。お洒落な店を覗きながらブラブラ歩きもよかろう。
なるほど、以前は工場だったことを思い出させる大きなコンクリートの建物が改装され、衣類、バッグ、靴などの、人目をひく綺麗な店が並んでいる。
でもね。それが一番の問題なのだが、スタイルといい、色彩といい、それにサイズにしても、およそわがお年頃とは無縁のものばかり。
初めは好奇心を満たす何かを期待して歩き始めたが、まもなく「残念だけど、面白くない・・・」と諦めると、夫もホッとした。

「そろそろ食事を考えよう」と、レストランを探しながら、近くにある「チェルシー・マーケット」に入った。
天井が高くて、明るい。旅先のどこの国でも、必ず行きたいバザールに共通している。都会の市場だからごちゃごちゃしていないが、人が群がって、人間臭い雰囲気だ。
生鮮野菜と果物、肉・魚・チーズやハム類の加工食品、花卉や民族固有の香辛料や雑貨類もある。住民の胃袋を満たす品々を眺め、人々の食生活について想像する。
「どうやって食べるの?」と聞くと、丁寧に教えてくれる店のおばさん。
興味のある店を見て回りながら、お土産になる食品を物色したり。
さっきまでのもやもやしていた気分が和んでくる。日常生活に直結している品々、特に食料品は、何を食べているか、どんな料理をするのかと、人々の暮らしを想像させ、生きることを考えさせる。
「これ、いいねえ・・・」と立ち止まっては、好奇心を募らせた。

マーケットの周囲に食べ物屋が並んでいて、観光客が群れている。「ここで昼食にしよう」と覗き込み、久しぶりに中華料理にした。
一皿の量が多いし、少々油っぽく感じられて、食欲がない。こんな時、夫は元気おじさんの面目躍如で、「味は美味しいよ。油っこいなんてことない」と言う。
ニューヨークに移動してから欲張った観光をし、今日は旅の最終日だ。身体は疲れを感じているから、「胃袋もお疲れ・・・」だったのだろう。

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