2012年12月12日水曜日

7月14日(土) パン工房「ルエッツ」へ




【パン焼きを教えてくれたマネージャーのカール・エラーさん】

熟睡して6時頃目覚め、「こーれは寝過ぎた、しくじった・・・」と、大急ぎで身支度。時間に急かされるのが苦手だから、早起きするはずだったのに。
夫はすでにシャワーを浴び、「いつまで寝ているのかと、待っていたよ」と言うので、「起こしてくれればいいのに・・・」とブツブツ。
6時半に朝食へ行く。

8時15分、中央駅集合。
午前中3時間ほど、日本人向けの地元旅行社(JTC)モラスさん企画のプログラムに参加して、インスブルック郊外のケマーテン村にあるパン工房「ルエッツ」で、パン作りを体験した。

ケマーテン駅から数分。家々の庭に小さなリンゴや杏、ナシなどがたわわに実っているのを眺めながら歩く。遠くにある山並みの前面に平野が続き、パン工房前に広がる麦畑では、青々と穂を伸ばしている。後で「パン作りの材料にするために栽培しています・・・」と、聞いた。

「ルエッツ」では、安全な食を考える11人の若者が、パンの普及を目的に活動している。気軽にできる日常的なパン作りを教え、付設の売店やレストランでは、焼きたてのパンを提供している。
最近のオーストリアでは、生活スタイルの変化に伴って家庭でパンを焼く風習がめっきり減り、特に都市では、ほとんどの家庭はパンを購入している。ルエッツにわざわざ立ち寄って行く車が多く、賑わっている様子を見ると、こうした日常がわかる。

マネージャーのカール・エラーさんが、基礎コースのデモンストレーションをしながら、丁寧にパン作りを説明。ドイツ語から日本語への通訳はモラスさん。

パンにまつわる話が面白い。
例えば、毎年11月2日と3日は、「パンを与えるお祭り」で、幼児や老人などにパンを配るそうな。
10月20日から12月1日の間には、この1年に残った材料(ライ麦)でパンを焼き、家畜にも与える。このパンはいちばんエネルギーがあり、冬を控えた家畜の栄養補給になるという。新しいライ麦を収穫し、古い材料を無駄にしない意味もあるのだろう。
また、イースター(復活祭)には、ウサギの形をしたパンを焼いて、子どもに与える・・・。

「こうしたパンを焼く行為は、人々の暮らしが、火・水・風・土・・・など、たくさんの恵みを受けて営まれていることに感謝して、自然に返す儀式なのです」。

美味しいパン作りに取り組んでいる思想だろうかと思いながら、日本の「おくどさん(竈さん)」信仰と同じだなと感じた。

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