2013年1月9日水曜日

7月15日(日)午後 ホフガルテン(宮廷庭園)散策




【宮廷庭園には樹齢の長い樹木が茂っている。背景はノルトケッテ】

ミサの後、クラウアー・ベア・ホテルへ寄った。
ホテルの出入口上方の壁に、トレードマークの熊が万歳をしている姿が描かれている。周囲の様子を眺めていると、滞在期間駐在の篠原さんがロビーに現れた。
「どんなホテルか、偵察に寄りましたよ・・・」。
建造から年月を経たせいか、ロビーは狭くて暗い。増設をして細長く迷路のように奥に続いているけれど、宿泊客でないので、その先は遠慮した。

ホテルは旧市街の入り口にあるし、王宮には徒歩3分。市内観光には絶好のロケーションだが、駅まで歩くのは遠い。ここに泊まっている日本人が、「鉄道で観光に出かけると、帰りが辛いですよ」と話していたことを思い出した。

12時半頃、ビアホール・レストラン「スティフツ・ケラー」前を歩く。
キリスト教国では、聖日の午前中はアルコール類のサービスはない。待ち構えていた客がビールを注文し、ウエイトレス・ウエイターが両手いっぱいにジョッキを握り、配り始めている。かなりの腕の力だと感心していたら、チロル民謡の生演奏が始まった。そんな様子につられて、先ずは喉を潤そうとテラス席に座った。
1曲終わるとビールを掲げて乾杯。また演奏が始まり、陽気な30分を過ごした。



【スティフツ・ケラーの屋外ビヤーガーデン。左端には郷土音楽を奏でる楽団】

天気がよくなった。「ここまで来たのだから、ホフ・ガルテン(宮廷庭園)へ行ってから帰ろうよ」と、歩き出す。
ホフガルテンの出入り口近くには、客待ちの観光馬車が連なっている。
御者が「ここから旧市街一周ができますよ」と、盛んに誘っている。女性の御者もいて、チロル風の衣装が楽しい。

庭園には濃い緑の葉を広げた巨木が多い。この地に根を下ろした年月を感じる。珍しい樹木の数々に、贅を尽くして庭園が造られた繁栄と栄光の時代を偲ぶ。
たくさんの花々が咲き乱れ、とりわけ気品を漂わせているピンクのアスチルベ。
いろんな種類の紫陽花が、多様な色彩を誇っている。古くからジャポニズムの象徴として、日本渡来の紫陽花を好む欧米人が多いと聞いたっけ。

池の噴水の周囲に、つがいのカモが泳いでいる。

雀が寄って来て靴先を突つく。まあ、なんと慣れているんだろう。餌のおねだりだろうかと手を出すと首を傾げて、しばらく周囲を飛び回り、肩に止まった。「ごめんね。君が食べるものを持っていないのよ」。

木立の間からヒョイと姿を現した、芸達者の雄鶏に驚く。
まっすぐに近づいて来て、片脚をあげてジッと佇み、様子を窺う。
「どうしたの?」と声をかけると、まるで「このポーズの写真を撮ったら・・・」と言わんばかりに、決まったポーズを続けている。
「私はね、片脚で立ち続けるのは、とっても苦手なのよ。君はご立派・・・」と言いながらカメラのシャッターを押すと、「それでよし・・・」と動き出す。
人を怖れず、ホフガルテンのガイドをしている感じが可笑しい。



・・・・・・・・・【王宮庭園を闊歩する雄鶏】

東屋のコーナーで、チェスをしている男性が2人。ヨーロッパの街角では、こんな商売をしているから、多分、客待ちだろう。
松の大木が伸び、木立の間からノルテケッテの山並みが見え、快晴の山々が輝いている。ここは、ノルテケッテの展望スポットだと後になって、聞いた。
ホフガルテン散策に満足し、途中スーパーマーケットで昼食用の食べ物を求め、ホテルへ帰った。
のんびりとした日曜日。

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