2013年1月31日木曜日

7月16日(月)シュトゥーバイタールのクロイツヨッホは、ハイキング教育の拠点




【クロイツヨッホの頂上(標高2210m)、巨大な十字架を背にして、登ってきた登山路を見おろす】

村はずれのクロイツヨッホ鉄道の駅(標高1000m)まで少々歩く。ハイキングを楽しむアプローチのほとんどは山の麓にあるゴンドラ(リフト)乗り場だ。結構歩くからきついけれど、これもハイキングのはじまり。

さて、ゴンドラで中継駅フローネーベン(標高1350m)へ。
ここで、尾根伝いに本格的なハイキングコースを辿る数人の重装備のグループが下車して行く。

さらに2100メートルの頂上駅へおよそ10分、ゴンドラに揺られる。
岩山が迫ってくる。眼下の尾根を辿る登山者が見える。緑の谷間の集落が点在し、牛が放牧されている。眺望を見逃すまいと目を凝らす。

ハイキングに出かけると、どんなに標高が高くても、緑の草原が広がる限り牛が群れ、人々の暮らしが息づいている。彼らの先祖は、ゴンドラのなかった時代からずっと住んでいたのだろうか。
「厳しい生活だろうな・・・。特に冬は、ここの暮らしは出来ないな・・・」。
問つ追いつ考えながら、乗り物の恩恵を受けて観光する者には、絶好の舞台だ。

ゴンドラに乗る前にもらった地図によると、頂上駅からクロイツヨッホへのハイキングコースは、シュトゥーバイタールのハイキング教育の拠点として整備され、人気があるらしい。クロイツヨッホ周辺の眺望を楽しみながら、尾根を歩いたり、緩やかな斜面を上り下りしたり、アルプスの高山植物が群生する一帯を観察しながら辿ったり。
コースを一回りすると、いろいろなハイキング体験ができるようになっている。詳しい地図が添えられているので、参考にしながら歩くことにした。

山上駅からクロイツヨッホまでの登りがきつかったことよ。



【登山路を外れ、高山植物のある草原を横切った。背景は2500mを超える峰々が連なるカルクケーゲ山脈】

歩き始めて数分でハアハアと息が弾み、ひと休み。再び歩き出して数分、またひと休み。なにしろ若い頃から坂道には弱い。どんどん追い越して行くハイカーをよそ目に、マイペースで30分、「シュトゥーバイタールのクロイツヨッホ(標高2210m)」に到着した。

登山の普及に連れて、あちらこちらの頂上に十字架が立てられたのが、クロイツヨッホ(十字架のある頂上)で、目印になっている。日本でも山の頂上に神社や祠があるのに似ている。アルプスには、クロイツヨッホはいくつあるのだろう?

クロイツヨッホで周辺を眺めると、絶景なのは確かだが、足がすくんでジンジンする。夫は「あんたさんは苦手だろうね」と笑うが、そう言う内心はビクついていることを知っている!

向かい側の山肌に見事な褶曲の線が刻まれている。太古の昔、地球が造られていく過程の造山活動の痕跡が、見事に残っている。それに比べると、大自然に抱かれた人類の歴史は、なんと小さいことよ。

1時近く、ゴンドラ乗り場に戻って、昼食。
夫はパン付きのソーセージにエーデルワイズ・ヴァイスビール。
私はヌードルスープにラドラー。体が温まって、ハイキングの昼食の定番だ。

フルプメス駅前に戻ると2時。予定していたノイシュタット行は小一時間待たなければならないので、帰路に着く。

市電の往復の路線が違ったので、未知の窓外を眺めながら、インスブルックへ帰着したのが3時半頃。ほどよいハイキングで、お疲れさんでした。

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