2013年2月5日火曜日

7月17日(火)ミュンヘンのシェラトンホテルにて

ホテル近くを歩いていると、服装や肌の色から、アラブ系とおぼしき人がたくさんいる。観光客とは違い、ちょっと意外な感じがする。
ガイドの鈴木さんが、「ここは以前は高級住宅街だったのです。古くなった建造物を壊して再開発され、最近はお金持ちのアラブ系居住者が多い地域なのですよ」と。中東のオイルマネーが、ミュンヘンの居住環境を変えるほどに進出しているらしい。

チェックインしたホテルのロビーは、天井が高くて明るく、広々としている。イスラム風の草花模様の壁に囲まれ、テーブルに置かれた飾り物も凝った模様。
白の長い衣装を着てベール姿の数人の男性が、ソファーにゆったりと座っている。ときに秘密の話をするかのように顔を寄せ、談笑している。女性の姿はない。
受付で働いている人は、背広姿あり、白のアラブ人独特の衣装あり。
街の風景の延長で、アラビアンナイトの世界に迷い込んだような、不思議な第一印象だった。後で、シェラトンホテルのオーナーがアラブ人だと聞き、道理で、第一印象の謎が理解できた。

ホテルには、アラブ人の美容整形の医療・治療目的の長期滞在者が多い。それも家族ぐるみでやって来るので、有名らしい。
「ベールだから、目だけでは外からはわからないのに、わざわざ美容整形手術をするのねえ・・・」と感心する者。
「人前で肌を出しちゃいけないと厳しくしても、家の中ではスッピンになるのよ。美人かどうか、もろにわかるんでしょう」と物知り顏で断言する者。
「だから、男性のお気に入りの夫人になるには、美容整形は大事なことかもしれないわよね」と分析する者。

女性たちの無責任な井戸端会議がひとしきり盛り上がり、「アラブの男性はたくさんの奥さんがいるから、手術代も楽じゃないわよね」と結論。
そばにいる殿方が「一人でもたいへんなのに・・・」とニヤニヤしている。

アラブ人の家族には、第◯夫人、第△夫人がいるから、子どもも多い。
エレベーターの乗降や廊下での騒がしさは、自分たちが主人だと言わんばかりの傍若無人ぶりだ。1週間前にツェル・アム・ツィラーのホテルで、サウジアラビアの家族集団と一緒になった体験を思い出した。(「7月10日、ポストホテルにて」をご覧ください)。

数人のメイドが、賑やかな子どもの面倒をみている。大半はインド・インドネシア・フィリッピンなどのアジア系だという。言うことを聞かない子どもをコントロールしようと、メイドが大声を張り上げ喧騒を撒き散らしている。母親たちが揃って整形手術をする間のお仕事なのか。イスラム社会の家族、特に女性の立場の現実を垣間見た気がした。

0 件のコメント:

コメントを投稿