2013年2月20日水曜日

7月18日(水)ミュンヘンからの帰りの車中で

そもそも大都会のミュンヘンを、わずかな時間で観光するのは無理だ。
それでも、レジデンツと古絵画館では、ミュンヘンの歴史の中でヴィッテルスバッハ家が担った役割を理解し、楽しんだ。
観光には、自然を愛でるタイプと、人間臭い歴史を知るタイプがある。
インスブルック滞在では自然環境は申し分なく、ゆったりした時間を楽しんでいるから、ミュンヘンを訪れて過去を遡る観光は、刺激的だった。

1時間あまり、ミュンヘン中央駅のコンコースを歩いたり、2階のカフェでアイスクリームを食べたり。階下のホームを眺めると、大きななナップザックを軽々と背負った若者が多いし、家族連れも目立つ。今は夏休みだし・・・。
そもそもゲーテ(1749〜1832)の著作「イタリア紀行」が、ヨーロッパの観光ブームに火をつけたと聞いたことがある。ドイツ人が旅好きなのは、その伝統なのだろう。それに、ドイツ職人の徒弟制度の流れは、各地を歩く必然性でもあったと理解する。

ミュンヘン中央駅発15時31分のIC83列車で、帰途に着く。
指定席のコンパートメントにいくと、若い2人の女性がいる。初対面の好奇心からすぐに、話が始まった。
ひとりは英語が達者で、それも正確な発音だから、非常にわかりやすい。
もうひとりはイタリア語中心で、連れが通訳し、話が弾んだ。

彼女たちはイタリアのパドヴァ大学の2年生で、観光コースを専攻中だとか。
卒業すると、イタリアを訪れる観光客を案内したり、イタリア人の観光客を引率して他の国へ行ったりする仕事をしたい。それで、夏休みを利用してヨーロッパのあちらこちらを旅行している。ミュンヘン訪問は2回目・・・。
「たくさんの国の歴史や地理など、たくさん勉強することがあって大変だけれど、面白いです・・・」と。
旅をするときに出会う現地ガイドがどんなふうに育っていくか。その背景を知る機会となった。

彼女たちが学んでいるパドヴァ大学の話を聞きながら、思い出した。
13世紀に創立された名門大学で、ルネッサンス・宗教革命の動きが新しい時代を切り開いていくときに、重要な人材を輩出した大学だったのだ。

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