2013年2月20日水曜日

7月18日(水)美術館巡り

9時にホテルをチェックアウトし、ミュンヘン中央駅へ。コインロッカーに荷物を預けて身軽になった。
今日は、「アルテ・ピナコテーク=古絵画館」を見学し、後は自由に近辺の美術館巡りなどの予定になっている。

「アルテ・ピナコテーク」は、14世紀から18世紀にかけての絵画7000点余を所蔵している。ミュンヘンを芸術の都にしたルートヴィッヒ1世が、1836年、ヴィッテルスバッハ家のコレクションを収めるために建造を命じた。名画の宝庫としてヨーロッパの六大美術館(ルーブル美術館、エルミタージュ美術館、美術史美術館・・)のひとつだとか。
全部を観るのは無理だから、案内図でお目当ての絵画のある部屋を辿った。

ボッスの「ヒエロニムス」を見つけ、譬喩的な奇想天外な表現が楽しい。こんな題材を鋭く細密に描写しているのに、明るい色彩が印象に残る。興味を持つ画家に、早々と出会った。

デユーラーの「四使徒」が何気なく掲げられている。同じような構図で何枚か腕や手の動きが表現され、下描きか、習作なのだろう。イタリアでティチアーノと交流してイタリア的な画風だったのに、神聖ローマ皇帝マキシミリアン1世の宮廷画家になって、ドイツ的な画風になったとか。「毛皮をまとう自画像」は、まっすぐに遠くを見つめる眼が、静謐、ストイック、優しさなどを感じさせ、異常な雰囲気を醸し出している。キリストを模して描いたと聞き、合点。

ルーベンスの作品が多い。フランドル派の大画家だし、バロック絵画の代表的な画家だし、歴史・宗教・風景・人物など、いろんな分野を題材にしている。「カバとワニの狩り」は力強い躍動感に溢れ、外交官の体験が背景に覗いているのが面白かった。小説「フランダースの犬」には、ルーベンスが描いた絵が登場していたと、思い出した。

ドイツを代表する熱心な宗教改革派のクラナッハの「磔刑図」。先日、インスブルックの「聖ヤコブ大聖堂」でも、「聖母子像」を見たばかり。

ティチアーノ、ヴァンダイク、ベラスケス、ブリューゲル・・・。

ヨーロッパ諸侯・王族たちが有名画家を雇って、家族を含めた一族の肖像画を描かせた。画家が活動していた当時から関心のある作品に目を付け、財力を惜しみなく注ぎ、宮殿内の装飾に励んできた。コレクションの質の高さと量の豊かさは、よっぽど芸術に造詣深い担当者・目利きがいたに違いないと感じた。

課外活動の小学生や中学生のグループが訪れている。名画と言われる作品や特定の画家の作品の前で、館員が説明をし、生徒が質問しながら鑑賞している。外国の美術館ではよく見かける風景だ。絵画に馴染む機会は、きっと大人になってからも残るだろう。

昼食後、すぐ近くにある「ノイエ・ピナコテーク=新絵画館」へ。
1981年、新しい作品を展示する目的で建造されて、建物の佇まいも現代的だ。こちらも案内図を片手にポイント観賞をした。
19世紀末から20世紀初頭のドイツの画家の大作が揃っているのは、国家意識の昂まりが反映しているのだと感じた。
フランスの印象派の作品の多さに驚く。ゆっくりと観たいけれど美術館は足が疲れる。体力勝負だなと限界を感じ、古絵画館ほど集中できず。

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