2013年4月3日水曜日

7月26日(木)マルチンさん宅訪問

添乗員の鈴木さんは、昨年のインスブルック滞在でも添乗員をし、ハイキング・ガイドのマルチンさんを知った。その関わりから、鈴木さんのアイディアで稀有な体験をした。

鈴木「もうすぐ滞在を終えるグループに、特別な思い出になるプログラムがないかしら・・・」。
マルチン「12名の小さなグループなら、夕食にお招きしましょう」。
鈴木「でも、招かれるだけでは申し訳ないし・・・」。
マルチン「だったら、オーストリアの伝統料理クヌーデル(ジャガイモの団子)を一緒につくって、食べましょう」。
こんなやり取りがあったという。
その結果、思いがけず、典型的なチロル地方の暮らしに触れる機会ができた。

ドイツ語通訳の柳瀬さん(モラス夫人)を加えた総勢14名が、夕方4時過ぎ出発。
インスブルック中央駅から30分のLeifhen駅で降りると、マルチンさんと息子ユリア(もうすぐ3歳)に歓迎され、すぐに彼らの家までの道が興味津々の舞台となった。

道路沿にある木材の集積所からは、霜降り松の香りが漂よっている。
マルチンさんが「この木材は最近、弟が伐ったものですよ」と、指差す。
古い小さな教会がある。毎日曜日、住民がミサに集まってくる共同体の拠点だ。
朝、放牧され、夕方には小屋に導かれている牛の群が、従順に歩いている。
この地方の伝説だというの巨人の家がある。
見慣れない日本人グループに笑顔いっぱいの挨拶をしながら、仕事を終えて家路を急ぐ村人たち。

「僕の両親の家、弟の家族の家、お祖母さんが住んでいる家、妻の両親が住んでいる家はこちら、あちらはおじさんの家・・・」。
次々に指差すマルチンさん宅の向こう3軒両隣は、みんな親類縁者だ。
マルチンさん宅の入口に、集落の責任者の印が掲げられている。隣接して、共同で使っているパン焼き小屋、燻製小屋がある。

池では、番いのアヒルや鴨がノンビリと泳いでいたが、人の姿を見ると、猛烈なスピードで岸辺を目指し、餌をねだっている。

緩やかなスロープの下のトランポリンでは、ユリアが早速飛び跳ねて、得意な演技を披露する。

夕方の柔らかい光を浴びながら、1時間ばかり周辺の牧場へ歩いたり、農家の佇まいを観察したり。
生まれたばかりのエマニエルを抱いて、夫人が現れて挨拶し、母親も姿を見せる。

遠い昔、日本の田舎にも、穏やかな暮らしがあった。そんな雰囲気に通じるものを感じて、懐かしい。



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