2012年10月13日土曜日

7月3日(火)いざ、インスブルックへ




【インスブルック空港、私たちが降りたプロペラ機に戻りの乗客が乗り込んでいる】

旅の興奮もあるし、成田空港第1ターミナルに8時10分集合だから、昨夜は気になって浅い眠りだった。夫は「遠足前の小学生並みだよ」と笑い、早めの1日が始まった。

いつものように搭乗手続きが済み、9時40分に離陸するまでに一汗かく。機内持ち込みの荷物検査がいちだんと厳しい。
「その包みは?」。「パソコンです」。「ケースから出して・・・」。
「これは?」。「薬類です」。「袋から全部出して・・・」。
ついでに化粧袋も開けさせられた。「本」2冊を手に取り、仔細にパラパラとページをくったし、羊羹1本はしげしげと眺められた。

結局、リュックサックの中身は全部出させられ、こんなに徹底したチェックは初めてだった。夫はリュックサックを背負った同じようないでたちなのに、何事もなくスイスイとパス。プライバシイに立ち入る検査官の恣意じゃなかろうかと憶測し、よっぽど風体が怪しいと思われたかと感じたが、理解できなかった。ぶちまけられた中身を納めるのに、余計な労力を強いられ、ブツブツ・・・。

地上から仰ぎ見る空は、ところどころに真っ白い雲が浮かんで明るく晴れていたが、離陸して雲を通過するたびに、しばらくゴトゴトと揺れた。あんまり気持ちのよいものではない。窓際の3席が空いているので移動し、フランクフルトまでの片道はゆっくりできた。ラッキー!

ソウルを1時間前に離陸したルフトハンザ機が、平行して飛んでいる。乗客が歓声を上げ、賑やかなひとときを過ごす。やがて、相手の機体がずっと下方になり、後方に広がる雲海に姿を消した。スチュワードの話では「こんなに近くで仲間の飛行機を見られるのは、珍しいです」と。ひょっとして、ニアミスってこと?
結局、ほぼ同じ頃にフランクフルト空港に着陸。気象や操縦者、管制塔の指示などで、1時間くらいは誤差の範囲なのだろう。

フランクフルトでの乗継のセキュリティチェックも、きわめて厳しかった。
パソコンをケースから出し、リュックサックのポケットは全部チェックされた。
同じ系列の航空会社の乗継なのに、ほんとうにご苦労様。

フランクフルト空港からインスブルック空港まではプロペラ機だ。飛行高度が低く、アルプス山脈の容貌が迫ってくる。積乱雲が高く明るく輝くその下に、山岳に挟まれた谷間が深く抉られている。
「なるほどなあ・・・。インスブルックに行くということは、こういうことなのか・・・」と、夫が呟く。
夕刻、かなり大きな街が眼下に広がって来たら、インスブルック市だった。
イン川の蛇行が続き、街の中心部の旧市街が見える。映像を観、写真を眺め、本を読んで、頭の中のどこかでは、すでに馴染んだ風景だ。
これからの4週間の滞在で、あの辺りを歩くのだろう。膨らんだ期待が、だんだんと具体化していく。

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