2012年10月15日月曜日

7月6日(金)午後 トゥルファインアルムへ




【リフト頂上駅の展望台付近に放牧されていた牛たち。その向こうにインスブルック市街と昨日登ったノルトケッテの連山が見える】

予想以上の快晴となった午後。パッチャーコーフェル(2246m)から尾根伝いの「ツィルベの小道」を辿る7km離れたトゥルファインアルム(2035m)へ出かけた。直接パッチャーコーフェルに繋がるロープウエイは休止中。山頂駅まで利用するロープウエイを巡って、運営会社とインスブルック市の合意がまだできない事情があるとか。代わりに、リフトが動いているトゥルファインアルムになった。

インスブルック中央駅前からポストバスに乗って、トゥルフェスへ。
そこから、まずは二人乗りのリフト、中間点で一人乗りのリフトに乗り換えた。
合計して標高差1500mを30分近くかけて上り、肝が冷えた。ゆらゆらと動くリフトの高さは半端ではない。とにかく必死になってリフトのポールを握りしめたから、頂上駅についたら指も掌もこわばっていた。でもね、眼下の様子を観る余裕があったのは、エライ。それしかできなかったのだけれど・・・。



【リフトに乗るみや。これは帰りに下っているところ。少し慣れて周りを見回すゆとりがあった】

リフトの下に松林(ツィルベ=シモフリ松)が続き、リスが走り回っている。放牧された牛がガランガランとカウベルを鳴らしながら、草を食んでいる。乳を飲む仔牛をジッと眺める母牛。日陰に集まって昼寝中の牛の群れも見える。木に寄りかかって読書をしているのは、牛飼いの男性だろうか。斜面に建つ小屋の入り口の赤色のゼラニウムの懸崖が、じつに見事だ。「おや、こんなところに人が住んでいる・・・」と驚く。

頂上にある展望台から、インスブルック市街地を眺望した。向かい側の山なみは、昨日訪れたノルテケッテだ。

特徴のある険しく聳える岩山が見える。「あの尖っているのはフラウ・ヒットだね」。身分の高いフラウ・ヒットという名前の婦人が、「パンをください」と頼んだ貧しい女性に、馬上から石を投げた途端、雷鳴が響き雷にうたれて、そのまま石に変わってしまった。そんな伝説を聞いたばかりだ。

展望台で休憩しようと腰を下ろす。そばのテーブルには、裸足になって日に焼けた元気な男性グループが、食事をしている。中には、足のマメの手入れをしている者がいる。徒歩で1週間かけて、インスブルックを囲む山々を歩いている仲間で、ヨーロッパ・アルプスの登山をしている同好会一行だとか。

「あの辺りが宿泊しているホテルと中央駅だろうね」「旧市街には塔が多いなあ」
「イン川の流れは街の動脈の感じだね。意外に大きい・・・」。
昨日と同じ感想を繰り返し、快晴の恩恵を満喫しながら、谷間の都市インスブルック滞在の期待が、さらに高まった。

【補足】この項目については夫のブログ記事『テキスト喪失、残念』を参照してください。

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