2012年10月15日月曜日

7月5日(木)ノルテケッテのパノラマウオーキングへ




【ハーフェレカール山頂からインスブルック市街を見る。その先はイタリアに至るヴィップ谷】

朝方は雨が降ったので、今日のハイキングはほぼ諦めていたが、朝食後に雲が上がってきた。チャンス到来と、インスブルックの北側に連なる山脈のノルテケッテへ出かける。

インスブルック・コングレスハウス(ノルテケッテ行きのケーブルカー駅)からフンガーブルクバーンに乗って、フンガーブルク駅(860m)へ。
そこでノルトケッテンバーンに乗り換え、ゼーグルベ駅(1905m)へ。
さらに乗り換えて、ハーフェレカール駅(2256m)へ。
ここから100m歩けば山頂だ。

インスブルックの街の中心部から気軽に山頂へ行けるので、幼い子を連れた家族やかなりの高齢者もいて、ちょっと山の散歩へという気分が漂っている。
ハイキング目当ての外国人観光客が多い。ケーブルカーからは、自転車を押して歩いている人や頂上を目指しているグループの姿が見えるから、一挙に目的駅まで行かずに、途中下車をしたのだろう。

ケーブルカーを乗り換えて昇るにつれ、風が強く気温が下がってくる。
雨上がりの山の気温は高くないだろうと着込んでいたが、さらにレインウエアを羽織って歩く。



【ケーブル駅から標高2334mのハーフェレカール山頂への登山路を行く】

頂上からの眺望は感動的だった。インスブルックの街並みを挟んで、向かい側の山脈が幾重にも重なっている。鉄道線路とイン川を目印にしながら、街の姿を確認する。「あの辺りが旧市街。黄金の小屋根が輝いているよ」「意外に、イン川は雄大な蛇行をして、存在感があるなあ・・・」「あの建物は、泊まっているホテルじゃない?」。
山では、”みんなお友だち”の連帯感があるらしく、誰彼かまわずに「素晴らしい眺めだねえ・・・」と共感し、賑やかだ。
そのうちに、「どこから来たのかい?」「昨日の観光はどうだった?」などと気軽に話しかけ、岩に座り込んで、話しが盛り上る。名前を名乗ってもすぐに忘れるけれど、束の間の交流は楽しかった。

ウイーンから来た老夫婦が「私たちは76歳と72歳。結婚50年目の記念に訪れた。この辺の山はほとんど登ったよ。ここにも何回も来ているし・・・」と自己紹介したので、「私たちは結婚54年目になるよ。それに年齢も上だ」と話す。「若く見えるなあ」と嬉しいことを言い、最後はハグをして別れた。
その後、展望スポットでまた会い、少し話してハグを交わし、こうした挨拶の習慣がないので、目をシロクロさせながら照れた。
山頂レストランでまたまた再会し、同じテーブルに座って昼食をしながら、先ほどの会話の続きとなった。「この5年間で4回、腰と骨盤の手術をしたが、こうして歩けるようになった。山に魅せられて、元気が出る」と殿方は言う。リハビリテーションの執念に、大いに刺激を受ける。ご愛嬌にも、彼は見事な白い髭に、昼食のスープがついている。そのおっさんが、スープの香りがするゴワゴワした髭で、両頬にキスをしてくれたのには、恐れ入った。

また、アメリアのヴァーモントから来た若い夫婦も印象に残った。夫はスコットランドのキルトのスカートを着ているし、夫人はスコットランド特有の民族衣装をまとっている。まだ幼い表情が残っているから、新婚ホヤホヤかなと眺める。「旅が好きで、あちらこちらを訪れています」と言う。
同じ時刻の交通機関を利用するから、彼らとも、何度も挨拶を繰り返した。
「ちょっと変わった夫婦だったなあ・・・」と、思いだしては話題にした。

インスブルックに戻り、ケーブルカー駅近くの王宮美術館に寄ったが、山の空気に触れた印象が強くて、気分が乗らず。またいずれと、早々にホテルへ戻った。

夕食はホテル近くにあるイタリアンに仲間と出かけ、名物のピザを注文。

【補足】夫のブログ記事を以下のリンクから参照してください。
『北の高値に登る』

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