2012年11月18日日曜日

7月10日(火) ④ポストホテルにて




【ツム・アム・ツィラーで泊まったポストホテルは、画面左側手前から二つ目の切妻屋根が続いた建物。目の前をツィラータール鉄道が通っていた】

ポストホテルは2年前に開業したばかりで、設備が新しい。プールやサウナ、ジムなどを備え、機能的な台所、家具付きのリビング、ベッドルームなど、ゆったりとした贅沢な空間だ。滞在型のホテルだから、1夜だけではもったいない。

前や隣の数部屋には、サウジアラビアからの大家族が滞在している。扉を開け放しているので室内が丸見えだし、小学生くらいの男の子数人が、廊下でボール蹴りをしたり、走り回ったり、とても煩い。夫が「静かにして欲しい・・・」と抗議すると、しばらく静まったが、やがて男の子たちの取っ組み合いの喧嘩が始まり、複数の女性(母親たち?)が飛び出してきて、大層な剣幕で怒鳴った。全て廊下での出来事で、ホテルの設備はよかったけれど、雰囲気は問題あり!

ベランダの前に、道路を隔てて鉄道線路がある。蒸気機関車の運行時刻を確かめると、間もなくやって来る。デッキチェアに座り、カメラとビールを手に、待ち構えた。

蒸気機関車の煙は豪快なエネルギーを発散している感じで、楽しい。
観光客に人気だと聞いていたが、乗客は少ない。ヨーロッパの近辺諸国からは、車を利用するのが便利だし、運賃はジーゼル列車の倍だから、観光客の利用は少ないのも当然か?

蒸気機関列車の通過を眺め、周辺に目を転じると、線路の向こう側に、寺院の尖塔が聳えている。地図を広げて、「あの辺りが街の中心だろうね。こじんまりして、歩くには好都合だ」と、様子を探りがてら、散歩に出ることにした。

また小雨がちらついているが、傘がなくても気にならないくらいだ。
通りの建物のベランダには、ペチュニアやゼラニュームが競い合うように溢れている。絶妙な色彩の取り合わせが素晴らしい。清澄な空気に育てられた美しい花々!

墓地にもまた、区画ごとに花々が溢れている。写真をはめ込んだ墓石が興味深い。墓前のロウソク型の電灯を点けて、墓石に手を置いている人がいる。家族や知合いだろう。そんな人が次々にやって来るから、暮れ馴染む時刻に亡き人と過ごす習慣なのだろうか。穏やかな共同体の繋がりを想像した。

大地にがっしりと建つ木造家屋が多く、惚れ惚れするような佇まいだ。板壁には茶色の木目や節があり、木材の板を葺いた屋根も目に付く。チロル風の建築やインテリアは、エコロジーを唱えなくても、昔から自然を大事にしている。

この日のことは夫が以下のブログに書いています。そちらの画像も参照してください。
7月10(火)-12(水)ツィラータールへの旅、その2


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