2012年11月4日日曜日

7月9日(月) 午後 インスブルック旧市街へ




【黄金の小屋根前の広場。右端が黄金の小屋根。左端から二つめがロココ調のヘルブリングハウス】

12時近く、昼食がてら旧市街を歩く目的でホテルを出る。
お目当ては、ビヤーホールレストラン「スティフツ・ケラー」。王宮脇にある老舗で、大きな木を囲んでたくさんのテラス席があり、いつも賑わっている。
夫は、大ジョッキのビールと牛肉のパプリカスープ煮込みの「グヤーシュ」。
私は、ラドラーに「ウインナー・シュネッツェル」を注文。
叩いて薄くのばした仔牛肉のカツレツの大きいこと!。大皿を占領している。
夫の皿にも大きな肉の塊がふたつ。
両方とも、サラダやフライドポテトが添えられ、2人でも1皿で充分の感じだ。お互いの料理を味わいながら、乾杯。
ここには、滞在中、昼食や散策途中の足休めに立ち寄って気軽に利用し、馴染みの店になった。

ところで、旅行社は日本語の小冊子「レストランガイド」を用意していた。
担当者が現地視察で食べ歩き、お勧めの各国料理のレストランを15店選び、場所、メニュー(現地のものを翻訳した詳細な内容)をまとめたものだ。
その日の気分によって、食べたい料理を選ぶ参考になったし、異なったレストランを利用したお仲間が、それぞれの評価を披露して情報交換し、出かけるとこともあった。

昼食後、旧市街を歩く。
路地を歩きながらひょいと見上げれば、「黄金の小屋根」前の一角だ。
その斜め前に「ヘルブリングハウス」があるのに、カメラを構える観光客が大勢佇んで、ゆっくりとは眺められないし、歩くこともままならない。
ヘルブリングハウスは、ロココ調の繊細な装飾を壁面いっぱいに刻んで、貴族の邸宅だったとか。建物の淡いピンク色はかつての栄華を偲ばせているが、年月を経て色彩を失っている。

全身を銀色に塗り、ポーズをとって彫刻のように微動だにしない人が、ときどき口に加えたバラの花をかざす。幼い男の児がはにかみながら、籠にコインを入れている。

「市の塔」を見上げ、夫は「あそこには、いずれ登るよ」と言う。元は14世紀に造られた火の見櫓だから、街の展望にはいいのだろう。望楼に大勢の人がいて、アリンコのように動いている。

観光客が多くて、雑踏を抜けるのに苦労するので、「今日は欲張らないで、クラナッハのマリアの絵を観ることに絞ろう」と、「聖ヤコブ大聖堂」へ向かう。ルーカス・クラナッハ(1472〜1553)が描いた聖母画で有名な大聖堂だ。




・・・・・・【聖ヤコブ大聖堂の正面】

クラナッハは当時の熱烈な宗教改革派で、宗教改革者のルター(1483〜1546)やメランヒトン(1497〜1560)などの肖像画なども描いている。ドイツで始まった宗教改革の波がアルプスの地へ広がり、その足跡が、インスブルックの聖ヤコブ大聖堂の聖母画に行きついたのだろう。もっとも聖母マリアの絵は、18世紀になってから捧げられているけれど・・・。

ここでもまた、祭壇中央の聖母画の前に人が群れている。特に車椅子の集団が目立ち、熱心に祈る姿にマリア信仰の一端を感じた。大聖堂は、18世紀初頭にバロック様式に改築されて、煌びやかに輝く内陣はどっしりしているけれど、周囲の窓からの太陽の光が意外に明かるく溢れている。



【聖ヤコブ大聖堂の祭壇。真ん中に小さくあるのがクラナッハの聖母子画】

マリアテレジア通りは、どこに佇んでも周囲の山並みが素晴らしい。
帰路、スーパーマーケットでビールとラドラー、木ノ実数種類、ハム、リンゴなどを買い、街角ウオッチングをしながら、ホテルに戻った。
夕食に再び外出するのは億劫になるだろうと食料を買ったのはご正解で、日本から持参の食べ物にプラスして、部屋で寛ぎながら食べた。

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