2012年11月18日日曜日

7月11日(水) マイヤーホーフェンのハイキングを満喫




【ペンケン山のハイキングコース、標高2000mの天空散歩】

5時半、起床。
リュックサックに荷物をまとめ、今日の予定を確認し、早めの朝食を済ませ、8時半にホテル出発。雲が次第に増えて、イヤーな感じだ。

ツム・アム・ツィラー駅から、終点マイヤーホーフェン駅まで15分足らず。
マイヤーホーフェン(標高650m)の街の西側にあるペンケンバーンのゴンドラを乗り継ぎ、頂上駅ペンケン(標高2005m)へ。

最初のゴンドラは動いている最中に、突然、停った。地上までかなりの高さがあるし、目の前に急斜面が迫っている。1分足らずだったが、ヒヤヒヤ、ドキドキの時間は、なんと長かったことか。

一山越えた中継点(標高1789m)からのゴンドラは、金網に包まれて、まるで鳥籠だ。冷たい空気がスースー通り抜けて寒いし、床の隙間から下界が見えて怖い。
乗り込むときに気にもせず、目の前にきたゴンドラに乗ったのに、すれ違うゴンドラを見ていると、ほとんどが透明なアクリル板に囲まれている。鳥籠はたまーにやって来るが、10台に1台もない。「帰りは、絶対に鳥籠には乗らない」と、宣言した。
そのうちにゴンドラは深い霧の中に入って、真っ白い綿菓子に包まれたような感じになった。鳥籠の中にも霧がこもって、向かい側に座っている夫がぼやけて見える。空間の広がりがつかめないので居心地が悪く、緊張した。奇妙な体験だった。

ペンケン台地のハイキングコースは、緩やかな坂道だ。
歩き出すとまもなく、斜面いっぱいにまるで絨毯を広げたように、黄色のお花畑が続く。
脇道を少し入ると、小高い丘になる。夫はカメラを手に登り始めたので、「まだまだ、先があるから・・・」と、リュックサック番をしながら休憩し、しばし待った。

ところどころに置かれているベンチで休むたびに、眼下の眺望に息を飲んだ。
遠くまで幾重にも重なっている山なみ。
谷間にみどり色の湖が横たわって、キラキラと輝いている。その周りの細い道に人が動いている。



【谷を隔てて向こうに3000m級の山が連なる】

垂直に切り立つ崖をロープでよじ登っているグループ・・・。
急斜面を飛び立ったパラグライダーが、風に乗って雲に吸い込まれるように消えて行き、また現れる。
ベンチのそばに牛が群れて、カウベルを響かせている。こんなところに放牧されている牛たち。
視界のすべてを見落とすまいと追いながら、次々に感嘆の声をあげた。

このハイキングコースは、子ども連れの家族が多い。緩やかな坂道だし、休息できる場所に遊具が備えられているからだろう。ハイキングに来て、トランポリンでもあるまいしと、感じたけれど・・・。

標高2095mにあるレストラン「ペンケン・ヨッホ・ハウス」で昼食にした。
夫は唐揚げのハーフ・チキンに大量のポテトフライと地元のツィラタール・ビール。私はたっぷりの具入りのヌードルスープにサラダにラドラー。
ハイキングの楽しみがあるせいか、食欲旺盛で、よく飲み、よく食べた。

いつのまにか雲が湧き上がり、風が強くなっている。そのときを待っていたのだろう。インストラクターの指示で、パラグライダーが次々とスタートして、宙に舞っている。どこまで飛んでいくのだろう。興味深々で眺める見物客が多い。

2時頃、帰途につく。
中継駅で乗り換えたゴンドラには、椅子がない。急勾配の斜面にはケーブルの支柱がほとんどなく、ゆらゆらと揺れて怖い。スピードを感じて、思わず足を踏ん張った。上りでは気にならなかったのだが・・・。

晴れの暑い街中を歩いて、マイヤーホーフェン駅へ。
発車間もなく雨が降りだし、ツェル・アム・ツィラー辺りでは大雨。イェンバッハでOBBに乗り換える頃には篠突く雨で、雷鳴が響いた。
ウイーン発ブリゲンツ行の列車の客席はガラガラで、アッヘンゼーへの遠出とは大違いだった。ゆっくり寛ぎながら、インスブルックに無事に戻った。

「山の天候がよかったし、眺めが素晴らしかったし、満足したなあ。ほんとうにラッキーだったね・・・」と語り合い、このハイキングの感動に触発されて、滞在中にハイキングを重ねるきっかけになった。


この日の記録は夫が旅日記に書いています。画像ともにご覧ください。
7月10(火)-12(水)ツィラータールへの旅、その3

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