2012年11月18日日曜日

7月10日(火) ③ 雨のツェル・アム・ツィラー






【ツィラタール初日にツェル・アム・ツィラーから登ったハイキングコースの鳥瞰図。現地で入手したハイキング・マップから転載】

沿線に大きな木材集積地が続く。列車の中までツィルベ(しもふり松)の香りが漂ってくる。チロル地方の木造家屋や家具に欠かせない木材だ。あとで地元旅行社のモラスさんから、「この沿線はチロル地方ばかりではなく、オーストリア全体、国境を超える南ドイツも含めた重要な木材集積地です」と聞き、納得した。

10時20分、ツェル・アム・ツィラー駅(標高580m)で下車。駅からすぐの「ポストホテル」へ行き、とりあえず荷物を預けた。

曇り空の雲の動きが速い。臨機応変に予定が変えられないのが、決まった旅の悲しさで、呪文のように、「雨が降りませんように」「視界が拡がりますように」と、何度も繰り返す。
クロイツヨッホ・バーンのゴンドラで山上駅へ昇る途中、雨がポツポツと降り出したが、麓の方は薄日が差している。そのうちに、一寸先は闇ならぬ真っ白な、茫漠とした雲の中に入ってしまった。

中継点ヴィーゼナルム(標高1309m)で小型のゴンドラに乗り換え、終点のシモンズ・ベルグシュタード駅(標高1744m)に着く頃には、傘が必要な降りになっていた。
「どうしようか。残念だなあ・・・」と言いながらも、上下のレインウエアを着て、しばらく様子を窺がった。小降りになってきたので「行けるところまで行ってみよう」と、歩き始めて間もなく、また驟雨。

クロイツヨッホ・ヒュッテ(標高1904m)まで行く計画は断念して、引き返した。
山上駅近くのレストランで昼食にしたけれど、食べ終わる頃には晴れて、麓まで見事なパノラマが広がった。もう一度、改めて山歩きをする気力はすでになく、連なる山々をゆっくりと眺めながら、周辺を歩いた。

ゴンドラで降りると、陽射しが強く、ホテルへトボトボと歩く道のりの長かったこと。目的が果たせなかったこともあって、下界の暑さが身にこたえた。

この部分は現地滞在中に夫が、旅行記を書いています。以下をご参照ください。
7月10(火)-12(水)ツィラータールへの旅、その1

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