2013年3月12日火曜日

7月22日(日)エコとハーブのレッヒ村
1990年までのレッヒ村では、年間800万リットルの灯油を消費し、雪が汚れて問題になって来た。以前の生活空間を守る努力をしなくてはと、エコの考えが様々な面で検討された。

ひとつは木質バイオマスで集中暖房する施設をつくったこと。各家庭への配管で熱湯が供給されている。レッヒ村に到着してすぐに、建物の屋根から白い蒸気がもうもうと立ち上っていたのが気になったけれど、「ここで熱湯がつくられています」と聞いた。村内には同じ施設が4カ所あるとか。

ふたつ目は、排気ガスを減らすために、電気自動車を積極的に採用していること。

その他、山の中に道路を造らない、すでにある道にも一般車は立入禁止、川の上流は土地開発をしないなど、自然保護のために、徹底した規制が行われている。
その結果、川の水が飲めるように回復したし、空気がきれいになって、花の色が美しくなった。
地元の有機栽培農家が育てる食材で料理をし、地元の建材で家を建てるなど、自給自足しながら暮らしの質を高める工夫がされた。
そうした成果が着実に実ったレッヒは、自然保護の模範的な村になっている。
ホテルやレストランなどの玄関前に、「環境保護賞」を意味する花の形の輪があって、個数は受賞回数を表している。個数が多いほど、村の自然を大事にしている証拠だ。

11時近く、オーヴァーレッヒにあるホテル「ブルグヴァイタル」に到着。今晩はここに泊まる。
荷物を置くと、早速ハーブ園を歩いた。ちょうどハーブの成長の盛りで、花々が咲き乱れている。日本語のハーブのパンフレットがあり、採集と保存、使い方、効能などが写真入りで説明されて、わかりやすい。スギナ、ヨモギ、ナズナなど日本でもお馴染みの野草がハーブティとして利用されているのも、楽しい。
思い出した。「日本人は草花や樹木の名前をよく聞きます。この国では、草、花、木というだけで、済みますが・・・」と苦笑したトルコのガイドがいたっけ。きっと、ハーブについても質問が多いのだろう。

ハーブ園を一巡後、シェフのルシアンさんがハーブをつかった料理を説明。
ハーブ入りの焼きたてのパンと一緒にワインを試飲し、続く昼食は、ホテルの人気メニューだった。

メニュー ルシアン氏の庭のサラダ
地元産のチキンのソテー、マッシュルームとパンダンプリング添え
デザートはイーストダンプリング
この辺りで代表的な赤ワインの「SEPP MOSAR」を注文。

ロープウエイでレッヒの中心部へ降り、ぶらぶら歩く。レッヒ川に沿ってホテルや商店、レストランが建っている。ヘミングウエイが滞在した「ホテル・クローネ」。ダイアナ妃のお気に入りのホテル「アールベルク」など、有名人が足跡を留めた話を聞きながら、ロープウエイ山麓駅へ。
そこから、宿泊ホテルから眺められる向かい側の山々のひとつ、リュフィコプフ(2362メートル)の展望台へのぼった。

レッヒ川の流れを挟んで、こじんまりとした村を見下ろしながら、山の恩恵を与えられ、それを育てている村人の暮らしを想った。
生憎雲が多くて遠景は霞んでいるし、日帰りグループの出発時刻もある。もっとゆっくりと眺めたかったのだが、ロープウエイで降りた。明日の天気を期待して、自由時間にもう一度来よう。

その後、14世紀のフレスコ画が残る聖堂や、その前にある郷土博物館を覗く。
古いけれど、どこにでもあるような印象で、たいして感興は湧かず。レッヒは自然と人々の暮らしぶりが財産だと感じた。

5時頃、ホテルにチェックイン。
夫は付設のプールへ出かけ、元気おじさんぶりを発揮。7時からの夕食まで寛ぐ。

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