2012年3月25日日曜日

噴水ショー、続くトラブル




【ドバイモール隣接の人工湖での噴水ショー】
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ドバイ⑦ 3月22日(火)夕刻

自由時間を楽しんだ仲間が、買い物の包みをさげて集まってくる。ドバイ観光の最後は、「噴水ショー」だ。開始の時刻には、観光客がモール内の人工湖の岸辺に押し寄せて、立錐の余地なしの混雑になった。ごった返す歩道に「立入禁止」の札があり、赤い絨毯が敷かれている。その先に高い観覧席が設けられているから、なにやら偉い人物が訪れるのだろう。テレビ局のクルーが器材を据えて待っている。

噴水ショーの演出は見事だった。ラスベガスの噴水ショーを手がけた同じ人物(名前は忘れた)によるものだ。音楽に合わせて、噴水が高く低く、右に左に踊っている。まるで、舞台の華麗なバレリーナのように身体をくねらせている。噴水の生き物のような動きに合わせて、赤・緑・青の光線が追いかけていく。歓声と感嘆の声が、あちこちであがった。

噴水ショーが終わるとまもなく、ツアーに問題が起こった。
添乗員が念を押した集合場所に、戻ってこない男性がいたのだ。生憎、男性の夫人は、午後の観光を休んで、船に残っていたので、様子がつかめない。

次第に人の姿が少なくなった岸辺を、仲間が手分けして探し回ったが、30分経っても見つからず。すでに予定の夕食の時刻が過ぎているし、船へ戻るバスも道路に長く駐車できない。結局、「船の名前を言えば、タクシーでなんとかできるでしょう・・・」と、添乗員とガイドが集合場所に残って、ツアー仲間だけで船に帰った。

ところが、不明の男性は、集合場所を間違えて、誰も現れないのでタクシーで船に戻っていた。噴水ショーの写真を撮ろうと、動き回って場所がわからなくなったらしい。無事を知ってホッとし、「あの混雑では起こり得ることだ」と、同情した。だが、その先の話があった。

疲れ果てたツアー仲間の一人がレストランへ行き、この夫婦が食事をしている姿を見つけたのだ。「もう帰っていたの?」と近づくと、男性は自分の落ち度を棚に上げ、「添乗員が先に帰った」と、不満をぶちまけたらしい。
それを聞き咎めた仲間が、「あんたが悪い。人の話をちゃんと聞いていないから、他の人に迷惑をかけ、みんなが食事時間にも間に合わなかった」と、諌めたという。翌朝、その顛末を聞き、「よくぞ言ってくれた」と、内心、拍手した。
理不尽な相手に、自分の考えをはっきりと言うのは、どんなに勇気がいることか。

以後、その夫婦はツアー仲間と距離をおき、気まずい空気になった。寄港上陸の観
光にほとんど参加せず、さぞ楽しくなかったことだろう。

帰国後の成田のホテルで後泊し、この夫婦と偶然、一緒になった。
彼らが鬱屈した気持ちを抱えて旅をしていたことを改めて知ったのは、この夜だ。
「旅であんなこと言われるなんて。・・・」と、夫人は蒸し返して恨みを話したのである。「迷惑をかけて、ゴメンね・・・」と言えば済んだことだし、旅も楽しめただろうに。人間って、複雑な生きものだと、気の毒になった。

それにしても、ツアー参加の基本の基は、人の話をちゃんと聞き、時間を守ることだ。どのツアーにも時間が守れない人がいるし、説明を聞かずにお喋りをする人がいる。自分ではさして気にしていないのだから、迷惑だが・・・。

以上。旅の開始早々、それができない困ったちゃんに、困惑したトラブルの巻。

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