2014年11月7日金曜日

[NYへの旅] 12.魚屋で

5日目  3月20日(水)
魚屋で

滞在中に招かれることが多くて、朝・昼食はともかく、夕食を準備する機会がない。ヒルダガードがオペラ企画のために外出が続くので、「今晩は任せといて・・・」と約束。メニューは魚介類中心に決めた。「だったら、新鮮ないい魚屋があるから私も行くわ」と、結局、仕事を終えたヒルダガードに案内されて、夕方、魚介・鮮魚専門店へ出かけた。

店頭には、調理されたものと新鮮な魚介類が並んでいる。
野菜と一緒にオーブンで焼いたもの、ギリシャ風にニンニクたっぷりでビネガーとオリーブオイルに漬けたもの、茹でてサラダにしたものなど。調理されたものは、テイクアウトするのだが、あんまり食欲は湧かない。

その奥に、魚介類が芸術的!に並べられている。
せっかく腕を振るうのだもの。「あれ食べたいなあ」「これもいいなあ」と物色し、2枚におろされた大きいアトランティック・サーモンが魅力的で「美味しそう・・・」と、購入した。

若い店主とのやり取りは、切り身の厚さを決める理解不足で、愉快だった!。
私:「ソテーできるように、三切れ欲しいわ」。
店主: 人差指を突き出しながら「厚さは、どの位?」。
私: 親指と人差し指を重ねるように開いて「これ位に切って。1、5センチ位かなあ・・・」。
店主: 太い人差指と中指を重ねて2本突き出す「Two fingers?」。
(重ねて突き出された太っとい指は、片方でも私の2倍以上の太さだ。指1本を重ねながら厚さを決めるのだと理解する! )
私:「いや、いや、1本でも厚すぎるわ。もっと薄くして・・・」。

こんなやり取りで求めた切り身は、三切れで1、5ポンドたっぷり。一切れが半ポンドということは、450gはある。ヒルダガードは、ニヤニヤしながら一部始終を眺めている。
「大き過ぎるなあ」と嘆く私に、彼女も「私は半分でいい」と同調する。
夫は「僕なら食べるよ。カットしてもらったんだし、余ったら明日の昼ご飯にすればいいさ」と言う。

後でわかったのだが、店主の指を単位に厚さを決めたり、総重量で計ってもらったりとのこと。なまじ日本風に厚さを指示したのが、誤解された。

夕食は、巨大なアトランティック・サーモンのソテーに、バジルで味付けしたポテトとミックスナッツ入りの野菜サラダ。フランス産のチーズ数種類を並べ、パンはカットしただけ。いたって簡単だった。
それでも、久しぶりに料理をして、クッキング大好きの気持ちが叶えられた。
女性はサーモンを半分取り分けて残したが、夫はペロリと平らげ、「大きい胃袋ねえ」と冷やかされた。

余談になるが、今回の旅には、アメリカを訪れる度に何時の間にか溜まってしまったコインを持参している。魚屋での支払いには、切りよくコインを使いたいと並べると、ヒルダガードは、「これは価値があるから、使わないで持っていなさいよ」と囁く。25ドルは紙幣にし、後の3ドル54セントはコインで支払った。
ところが、店主は「このコインは知らないね。見たことないよ」と興味を示した。建国200年(1976年)記念に発行されたコインは、初めてのアメリカ滞在時に、使っていたものだ。

帰宅後、改めてコイン談義になった。アメリカでは州ごとにコインが作られているそうで、鋳造年と合わせて種類が多い。コイン・コレクターに人気のあるものは、売買の対象になるという。

ヒルダガードは、表にバッファロー、裏にインディアンの絵が描かれたコインを取り上げながら、早速検索した。
「これは高額で取引されている。年代が分かれば、2500ドルで売りに出されている貴重なものよ。とっておきなさい」。
ざっと日本円で25万円位。でもね。持っていたってそれだけでは意味はなし。売れればのお話。

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