2014年11月15日土曜日

[NYへの旅] 20.MoMA(近代美術館)へ

10日目  3月25日(月)

ロングアイランドでは多彩な出来事の連続で、自覚していなかったがいささか緊張したらしい。2人だけになったら気が抜けてしまった。
今朝、目覚めると8時過ぎ。「こ〜れは寝過ぎた、しくじったあ〜」と鼻歌交じりで起き出すが、何も慌てることはない。熟睡して、気分はすこぶる爽快だ。

ゆっくりと朝食をし、ホテルのインターネット環境がよいので、午前中は、昨日までに溜まってしまったメールや、ブログを書く。
朝から雨が降ったり止んだりで、夜には雪になるとの予報は、観光には有り難くない。天気の影響のなさそうなMoMAを訪れることにする。

12時半頃、ホテルの受付に鍵を預けると、熟年男性の受付が「昨日のあなた(夫)の抗議を横で眺めていましたよ」とにこやかに言う。だいぶ粘ったからなあ。
滞在中は、他のホテルマンにも顔を覚えられて、何かと話しかけられる。夫は理不尽だと一歩も引かず自己主張をするし、次第に声が大きくなる。これじゃ目立つわけだ。

MoMAの入口には長い行列ができ、混雑している。行列の最後まで辿ると、3人縦列で2ブロックもの長蛇だ。明日は休館日だし、春休み中だし、天気が悪いから美術館にしようと考える観光客が押しかけているらしい。
夫は「これじゃ時間の無駄になるね。日本の美術館と同じ混雑はごめんだよ。昼食を先にしよう。ロックフェラー・センターが近いから、そこのカフェにしよう」と諦めが早い。

ロックフェラー・センター広場は、春から秋にかけては日除けのパラソルが並ぶオープンカフェに、寒い季節にはアイス・スケート・リンクになる。
クリスマスの頃、巨大な樅の木が飾られるのを家族で眺めた・・・。
ずっと以前(40年になる!)、ここでヒルダガードと待ち合わせ、食事をしながら深刻な話もした。
季節毎の数々の追憶が不意に甦り「また訪れることができたなんて・・・」と、感慨深い。

屋内からスケート・リンクが眺められる「ロック・センター・カフェ」に落ち着く。今日のスープ、フィッシュ&チップス、野菜サラダを注文し、ビール(サムエル・アダムス)で乾杯。温かいスープが美味しい。

目の前で、たくさんの人が滑っている。小学生くらいの子どもが半分、10代の若者と熟年・老人があとの半分といったところだろうか。
外側では、バーを掴みながら倒れない努力をしている子どもとコツを教える親たち。その内側には、スイスイと気持ちよく滑ったり、スピードを競っているグループがいる。中央では、格好をつけて得意気にフィギュアを演じているそう若くはない人たちがチラホラ。動きが滑らかでないので「おや、おや・・・」と笑いを誘う。30分単位に入れ替わり、しばしの休憩中に、リンクのコンディションを整えている。

食事を終え、諦めきれないのでもう1度、MoMAに出かけることにした。
行列は短くなっていた。それでも30分待って2時45分に入場し、5時半の閉館まで、お目当ての画家の部屋を大急ぎで辿った。
アンドリュー・ワイエスの「クリスティーナの世界」が見当たらない。アメリカの原風景や心象を思わせる静かな絵を描いて好きな画家だ。諦めたときに、エスカレーター脇の目立たない場所に移されているのを発見し、その前にぼんやりと座り込んでいる若者を見ながら、「冷遇されているなあ」とがっかり。

閉館時の混雑には驚いた。日本のラッシュアワーの電車の混みようと同じで、館内から一斉に出てくる人々の流れは、自分の意思とは異なる動きになっている。転んだら事故に繋がるだろうとこわい。おまけに、絵の前からなかなか動かない人々を、館員が必死になって追い出している。混雑に巻き込まれ、もがくようにして、やっと外に出た。
 
ホテルに戻ってすぐ、ヒルダガードお薦めのレストラン「La Masseria」に、予約の電話をする。明晩ミュージカルを観るので、プレシアターの夕食を5時にしたいからだ。

7時半、今晩の食事は「SPARKS STEAK HOUSE」に出かけた。
室内に入ると、コロニアル・スタイルのマホガニー色のテーブルと椅子が、目に飛び込む。植民時代を偲ばせる装飾の数々。カジュアルな雰囲気だが格式があるらしく、ネクタイを締め、着飾った婦人が多い。アメリカらしい夜の社交が健在だと感じた。
私たちは、フィレステーキ、ポテトのオーブン焼き、野菜サラダとシンプルな料理を注文。量がたっぷりして持て余したが、久しぶりに美味しい肉を味わった。因みに私は疲れると、無性にビフテキが恋しくなる!

ホテルに戻ったのは10時頃。インターネットをチェックし、1日が終わった。

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