2014年11月9日日曜日

[NYへの旅] 14.ペトロポリタンオペラの企画

6日目  3月21日(木)その2 

40年近く前、BNL研究所の福利厚生部門では、メトロポリタン・オペラやコンサートのチケットを斡旋していた。観劇当日は仕事が終わってから各人が1時間ほど車で走り出かけていた。それでも開演時刻には十分間に合ったので、楽しみにして利用し、オペラ愛好者?になるきっかけになった。

17年前、ヒルダガードが地区の図書館の学芸員になると、月に1回の割合で、メトロポリタン・オペラやニューヨーク交響楽団のコンサートを年間企画から選び、チケットの斡旋ばかりではなく、足の便も含めた企画を始めた。バスをチャーターすれば駐車場の心配をしなくて済むし、運転の疲れもない。企画は好評で、現在も毎回バス1台が満杯になるという。
ときどき彼女からはオペラの演目や催行月日の情報が届き、「是非一緒に観たい」との誘いが続いたが、日本からは遠かった。「そのうちに実現したい」と言いながら時間がどんどん過ぎ、お互いに年齢を重ねた。そして、そろそろ最後の機会になるかもしれないと、賭けをしたのだ。それについては、はじめに書いた。

午前中は時折り小雪がチラついたが、集合時刻の30分前頃から晴れ間がのぞいた。
今回の参加者は総勢47名。ほとんどが常連らしく、「私、来ているわよ」とヒルダガードに挨拶。チケットを受け取る人、座席の交換など、遠足へ出かけるような賑やかさだ。
それに今季最後の企画だから、例年通りオペラ鑑賞の前に、プレ・ディナーもあり、「どのメニューを申し込んでいるかしら?」と尋ねる人も。

3時きっかりにバス出発。
早速、ヒルダガードが次のオペラ・シーズンの演目を紹介し「みなさんの参加を期待します」と宣伝。観劇後の集合時間と場所などを、いつもとは違う気取った声音で話す。普段は茶目っ気たっぷりの彼女だから、その落差に目を見張った。
「ヒルダガードの意外な一面を見た感じ・・・」。
「そうだなあ、威厳を持って喋っているんだろうね。約束の徹底をしているのさ」。
夫と顔を見合わせながら、ヒソヒソ話。

今日のオペラ「ファウスト」のパンフレットが配られ、4時過ぎにはニューヨーク市へ。前にも書いたが、交通法規で複数人を乗せているバスは、速度が出せるレーンを走る。乗用車よりも時間が短縮される。

「Cafe Centro Restaurant」(ヴァンダービルト通り45番街)でプレ・ディナー。
メニュー    トマト・アボカド・レタスの野菜サラダに蟹の身を盛り付けたもの
                  フィレミニヨン・ステーキの赤ワインソース味、ポテト添え
                  デザートは、ピーカンとアーモンドのケーキ、洋ナシの甘煮
観劇中に眠くなるかと心配しながら、夫の常套句「料理に対して失礼になるから」と赤ワインを注文。

食事後、夕方の陽差しを浴びるビルを仰ぎ見たとき、レストランの場所が昔のパンナムビルの1階だとわかった。

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