2014年11月11日火曜日

[NYへの旅] 17.田中さん宅のお茶、ヒルダガードへの感謝の夕食

7日目  3月22日(金)その2  

午後、昨日のオペラ企画の始末をするために、ヒルダガードと一緒に図書館へ寄り、そのまま、お茶に招かれている田中さん宅へ。
滞在中の時間が足りないので「お気持ちだけ・・・」とお断りしたが、アメリカ人の付き合いには、招いたり招かれたりが大事だ。やっぱり失礼になるからと、お茶を希望した。

出かけてよかった。
昨年秋のハリケーン襲来で、樹木が車上に倒れ、住宅にも甚大な被害があったという。倒木は片付けられ、林に囲まれた静かな素敵な佇まいだった。林にいる鹿を眺めながら、厄介者だけれど自然に恵まれた環境を感じた。
亡くなられた夫君やふたりの子どもの写真を眺めながら、「これからどうなるかしら・・・」と、一人で住んでいる家の維持がたいへんになったことを聞いた。どこの国でも老齢化に伴う生活には、先が見通せない問題をはらんでいる。
昨夜のオペラの感想やエコを心がける暮らし、子どもたちの近況など、話が弾んだ。

さて今日の夕食には、滞在の感謝の気持ちをこめてヒルダガードを、再会を記念してトーマスとフェイを招待し、ウエディングリバーの海辺にある「La Plage Restaurant」へ出かけた

このレストランは、シェフ自ら、午前中にロングアイランドの北の海へ漁に出かけ、その日獲れた新鮮な魚介類を料理している。金曜日にはワインの持ち込みが自由だし、この辺りではお薦め人気レストランだとか。カヌーを楽しむヒルダガードが借りているボート小屋の近くにあるし、それに今日は金曜日だから、好都合だ。シェフとヒルダガードは旧知の間柄というのもいい。

「カジュアルだけど美味しいから、いつも混雑しているのよ。予約なしでは断られることが多い・・・」と言われ、昨日電話をしてある。
次々にやって来る客で賑わっている。中には満席だからと断られて、立ち去って行く人もいる。「ほら、予約していてよかったわねえ・・」と、ヒルダガードと顔を見合わせた。

何を注文したか記憶は定かではない。地中海料理に通ずる味付けで、とても美味しかったし、ボリュームたっぷりで、堪能したことは思い出すのだが・・・。
そうだ。前菜は大皿でいろいろ注文して取り分けた。生牡蠣、たくさんの魚介類をマリネしたもの、白身魚のフリッターなど。
メインは、各人がブイヤベース、ロブスターのオーブン焼、パエリアなどを注文。
持参の2本のワインでは足りず、シェフがお薦めの白ワインを追加。
「誰が帰りの運転をするの?」「その頃には酔いはさめる・・・」と、乾杯を重ねた。

トーマスと夫は科学者として仕事の共通点があるので、福島の原発事故の深刻な問題が話題になった。フェイは放射能の人体への影響や薬害の話をした。高齢者である3人は、これからの世代の暮らしのあり方を懸念した。
楽しいひとときではあったけれど、世界中で、手放しでは希望を持てない時代になっている共通の認識があり、時代の空気も味わって、話は尽きなかった。

帰宅後、習慣のオードビーを飲みながら、話は続き、夜は更けていった。

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