2012年4月4日水曜日

マスカットからサラーラへ終日航海の日




【デッキのプールサイドで開かれたインディアン・ランチ】

3月26日(土) 旅の7日目

やっと、やっと、船上でゆっくりする日を迎える。
クルーズを楽しむには、寄港地観光を適当に選べばいいとわかっていても、観光案内を目にすれば、好奇心が湧く。出発以来の強行軍?を振り返りながら、「年齢を考えましょう。喜寿記念のクルーズなんだから・・・」と言い、夫婦して顔を見合わせて笑ってしまう。「ショウもないよねえ・・・」。

5時過ぎに目覚め、インターネットや細々としたデスクワーク。
9時半から30分、「身体を目覚めさせよう」のストレッチのプログラムへ行く。
地震後、しばらくジムを休んでいたから、身体はなまっていたが、気分爽快。
10時過ぎにキャビンに戻り、読書。
何時の間にかウトウトして、昼寝ならぬ朝寝をしてしまった。
目覚めると、もう12時になっている。

プールサイドのインディアン・ランチ・パーティへ行き、ビュッフェ・スタイルの昼食。
タンドリーチキンや、豆やナスの煮込んだものをナンに包んで食べた。香辛料の効いたカレー味の料理が中心で、美味しい。どれを食べてもカレー味だから、最後には辟易してしまったが・・・。

航海中の食事は、朝食はインターナショナルなビュッフェスタイルだ。隅に和食コーナーがあったことは、すでに書いた。
昼食は、観光で寄港する日は土地のレストランだが、船にいるときはレストランかプールサイドで自由に食べる。どうせなら、いろんな経験をしたいと、プールサイドの昼食を利用する機会が多かった。いろんな国や民族の料理が、日替わりで登場するビュッフェ・スタイルで、これが意外に楽しい。料理に合わせた飾り付けや音楽で、食事の雰囲気を盛り上げるし、その日の料理担当者が、料理の特徴や使われた材料、味付けのコツなど話してくれるし、「今日のお勧めは・・・・」とわざわざ教えてくれる。同じテーブルに座った知らない人とのおしゃべりもいい。
夕食は、乗客を二部交代にしてレストランで食べる。それも指定席だから、ウエイターやソムリエの担当者が決まっている。

今日の昼食のテーブルでは、スイス人夫婦と一緒になった。
私たちが日本人だとわかると、もっぱら、原子力発電問題が話題になった。
地震・津波の災害を同情しながらも、日本の原子力発電事故については、厳しい見方で、大方の世界の世論だと強調した。
「チェルノブイリ事故では、当時のソ連の原子力発電の技術問題だという見方がありました。今回の福島の原発事故で、日本がこんなことをしでかすなんて、信じられませんよ。ロシアや中国ならいざ知らず・・・。
世界の原子力発電に対して、深刻な問題提起をしました。どこの国でも、これからの原子力発電の対策が迫られるでしょうね。たいへんです・・・」。

午後、バルコニーで、波の飛沫を眺めたり、遠くの陸地の影を探したりしながら、落ち着く。メールや読書もできた。

夕食前、船長によるウエルカム・カクテル・パーティ開催。
船長の挨拶やら、主要オフィサーの紹介やら、賑やかなひとときだった。
挨拶・紹介は、イタリア・イギリス・フランス・ドイツ・ロシアの5カ国語だ。
スタッフの胸章には、どの言語が話せるか表示され、地位が上になるほど、多国語を話す。言語が、資格の一つとして重視されている。
タンクトップや水着姿で日光浴をしていた女性、脂肪を溜め込んだウエストを辛うじて収め、泳いでいた男性。フォーマル・ドレスでおめかしして大変身しているから、昼間の姿との違いに驚き、「あら・・・」「おや・・・」「と、お互いに認識を新たにする。

この夜、アースアワーに賛同して、船内でも照明が落とされ、70分間の消灯を実施し、ベランダは非常灯だけになった。
「アースアワー=地球の時間」は、WWF(World Wide Foundation of Natureの略) 提唱で、オーストラリアのシドニーから始まった。年々賛同が増え、2010年には、126カ国、4300以上の都市で実施し、公共の施設、個人の建物、世界の大企業の本社、世界の名所などで、照明が落とされたと言う。
過度のエネルギー消費をする生活スタイルを見直そう。エネルギー燃料を使えることのありがたさ、大切さに気づくために行動しよう。そんなアースアワーの趣旨を、日本が切実に考えなくてはならないし、2011年3月11日を境にして、ますます切実な日本の課題だと思った。
この時間、「ルミノーザ=光り輝く」が精彩を欠いたが、こうした趣旨に積極的に取り組むのはいい。

0 件のコメント:

コメントを投稿