2012年4月30日月曜日

地中海に入る

終日航海 4月6日(水) 旅の18日目

6時半、起床。元気だ。夜半に船酔いで目覚め、初めて酔い止め薬を飲んだけれど・・・。

スエズ運河を抜け地中海に入ると、船は大きく揺れだし、波の飛沫が高い。
航跡が、豪快にきらきらと輝いている。船内の移動時には、しっかりと手すりを持って、酔っ払いの足取りで歩く。

朝食後、ストレッチに行き、その流れで「クレイジー・サンダル投げ」や「椅子取りゲーム」で汗を流す。さらに、アート&クラフトコーナーへ出かけ、髪や胸に飾る造花作りを遊んだ後、メールを書く。以上は、午前中。

昼食後、昼寝。4日連続の寄港地観光と張り切ったスエズ運河通峡を終え、さすがに気が抜ける。何よりも年齢には抗い難いと自覚し、休養。

5時半。船長主催のフェアウエル・カクテル・パーティへ。フォーマルドレスで着飾ったカップルは、日中の姿から見事に大変身している。ヨーロッパ社会で伝統的な、夜の社交・カップル文化を垣間見る。日本だったら、夜は、男性や若者が多く、一般的にはカップル同士の社交の場は乏しいなあ。

夕食がそろそろ終わる頃、厨房やレストランで働いている人たちが現れて、紹介される。その後、レストラン中央の舞台で、出身国毎の寸劇、民族ダンス、楽器演奏、アクロバット!など、それぞれの自慢の芸が披露され、思いがけない彼らのタレントぶりに感心。いつ練習したのだろう。
陽気な笑いと屈託なく続く拍手に、非日常の空間と時間を痛感する。

キャビンのボーイや、レストランのテーブル担当のチーフから聞いた話から。
アジアや南アメリカからは、祖国に家族を残して働く典型的な出稼ぎが多い。
中には、夫婦で雇われている者もいて、ラッキーだよ・・・。
コスタルミノーザ号の船籍はイタリアだから、上級のスタッフはイタリア人中心。どんなに働いても、イタリア人でなければ出世できない仕組みがあるんだ。

記名証で見た出身国は、フィリピン、インド、インドネシア、ブラジル、トルコ、ウクライナ、スペイン、ドイツ、イギリス、イタリアと多彩だが、彼らの仕事内容と身分の格差は、歴然としている。
これは船に限ったことでなく、欧米を旅しても、つねに感じることだ。各人の属する国の現実の姿に思いを馳せながら、最近の日本でも、就職や賃金などの格差が問題になっていることを、改めて認識する。

夜のショーは、疲れたので出かけず。




0 件のコメント:

コメントを投稿