2012年4月9日月曜日

船上生活風景 ②




【北回帰線通過のお祭り、海神ネプチューンが登場】

3月31日(木)旅の12日目
連続していた終日航海の最後の日。今朝も5時半起床。
朝食へいくと、いつもより人が少ない。昨夜のカーニバルで、お疲れさんだったのだろう。

エクササイズに参加後、椅子取りゲーム(コーク、ファンタ、スプライト、シャンペーンの掛け声で移動して椅子に座る)を楽しみ、汗をかく。

その後、キャビンでゆっくりしていると、掃除をするボーイが来たので、しばらく
デッキに出る。

ボーイは、フィリピン人のハイデムさんだ。因みに、彼の話では、ルミノーザ号の乗組員の75パーセントは、フィリピン人だという。レストランやジム(エステも)のサービス、甲板の掃除、厨房のコックなど、主要な労働を担っている。担当の仕事以外にも、手が空くとデッキの手すりや階段のペンキ塗りをしている者もいる。こうした縁の下の仕事は、アジア系ではフィリピンの他はインドやインドネシアから、東欧系ではクロアチアやスロヴェニアからの人が目に付く。ほとんどが祖国に家族を残した出稼ぎだ。彼らは、会社と半年毎に契約し、その期間は上陸せずに船に拘束され、1日に11時間半、働くという。

レストランの指定席のウエイターのティルソーさんは、ベストやネクタイの色が他のウエイターと違っている。彼の話では、周囲にあるいくつかのテーブルをまとめる立場で、服装で区別しているという。「レストラン全体の責任者になるのが、僕の夢です」とのこと。

船長はじめ上級乗組員はイタリア人が中心で、フランス人とイギリス人が少数乗っている。彼らもまた、航海ごとに船会社と契約するとか。
職責によって、人種や民族、国籍による身分差が大きいし、収入も段違いだという。

午後1時頃、北回帰線を南から北へ通過するので、海神ネプチューンが登場する「海の洗礼」と称するパーティーが催される。

数日前マスカット近くで、北から南への北回帰線を通った。あれから、アラビア半島の南沿岸を航海し、紅海へ向かったのだが、もう、だいぶ前のような気がする。
パーティーは、イタリア語の説明だったので、内容がイマイチ分からず。
異様な衣装をまとった海神が、厳かに話したり、踊ったりして、祈り?を捧げた(と、想像力を頼りに理解した)。
その後、クリームが入った大きなボールを抱えたお付きが、海神の前にいる観客に、次々にクリームを塗りつけて、大騒ぎに。ほんのちょっと、鼻先に。顔一面にデコレーションケーキのように。ハゲ頭に帽子のように。中には、裸のいたるところに。追いかけられながら、塗りつけられた。

パーティの間の昼食は、イタリアンの海鮮料理。オリーブオイルとニンニク、香草類にマリネした魚介類、イカやタコの唐揚げ、大きなサーモンをオーブンで焼いたものなど。日本人には好評だったが、やや油っこい。

午後、キャビンで寛ぐ。
バルコニーに風が吹いて、外気温の割りに涼しい。ときおり、大型のコンテナ船とすれ違い、経済活動を担っているルートだとわかる。甲板で手を振っている人がいるので、こちらも手を振って挨拶。

4時から、夫は「スエズ運河」の英語のレクチャーに参加。クルーズのハイライトになるスエズ運河に、期待を膨らませる。

夕食時に、コスタ社の誕生日(1946年3月31日設立)なので、レストランのスタッフが張り切ってサービスし、お国柄をあらわすダンスや器楽、歌を披露する。
終日航海の4日間は退屈する暇なしで、予想外に動き回った。

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