2012年4月6日金曜日

サラーラはスルタン・カブース王の誕生地




【カブース王の肖像のあるオマーンの紙幣(リヤル・オマーンRO)】

サラーラ③ 3月27日(日)

サラーラは、オマーンの首都マスカットから1050kmも離れているのに、オマーンのスルタン・カブース王の誕生の土地だから、首都に次ぐ重要な町だ。

今年(2011年)70歳になる王は、小学校の6年間はサラーラで教育を受け、アラビア語とイスラム教を学んだ。王が受けたオマーン教育は、サラーラでの6年間だけという。

ついでに、すでに触れているが、カブース王は小学校を終えると、イギリスに留学して、軍隊学を学んだ。イギリスの陸軍、ドイツの空軍について勉強している。
それが1970年の宮廷クーデター以降、近代化へ進む基礎になっている。
鎖国政策をしていた父王は、イギリス軍に幽閉されて、2年後に亡くなった。
イギリスと関わりながら、父と息子の立場は、限りなく遠い。

スルタン・カブース王は閣僚を引き連れて、今でも年に2回、全領土を順に巡行し、直接国民の声を聞いているという。王の意図は、近代化への急展開を自らの目で確かめながら進めたいという気概からだろう。
日本でも、第二次世界大戦後、天皇の地方巡行があり、復興の支えになったことを思い出す。

スルタン・カブース王の具体的な政策で、国民の生活は非常に良くなった。例えば・・・。
オマーン国籍を持つ男性が20歳になると、国から600平方メートルの土地を、無料で与えられ、しばらく(2年程度)所有すれば、1500ユーロ(17万円)前後で売買できる。その恩恵を受けて、最低の暮らしをしている遊牧民が定着し、土地を持つことが可能になった。
また、移住してきたオマーン国籍のない農民は、王所有の農園で野菜や果物を栽培し、それを安く売って生活している。・・・。

オマーンの国家収入の80%はオイルで、1日に70万ガロンを生産している。ガソリンの価格は、1リットルが150バイザ(Bzs)=36円位。(注、1RO=1000Bzs)
教育と医療は、無料・・・。

農業と交易に加え、漁業も盛んなサラーラは、オマーンのオイル生産もあって、経済的には恵まれている様子がわかる。
歩き、バスで走り、観光は続く。
大きな樹木に囲まれているカスルタン・カブース王の母親の墓の前を、通過。

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