2012年4月6日金曜日

漁村タカでアラビア海を展望




【タカの海岸を崖上から望む】

サラーラ② 3月27日(日)

オマーンの新しいプロジェクトの始動は、サラーラの中心街にも変貌をもたらし、好景気の経済が、地方にも及んでいる。

10時頃、サラーラ郊外の漁村タカへ。岸壁の上の高台からの展望が、素晴らしい。眼下の白砂のビーチ。その先に広がるアラビア海。エメラルドブルーの波の上に、キラキラと陽が燦めいている。と、丸く黒に輝く塊がある。
「見てください。あの黒いのはイワシの大群ですよ。漁に出ると、獲れるのはイワシばかりで、漁師はがっかりします。イワシの利用法があると、助かりますがね」とガイド氏。
「缶詰にすればいいのに・・・」とお仲間が言う。
「誰が買ってくれますか。缶詰にしなくても、獲りたてがたくさんありますよ」。
「日本人なら買うかもしれないわね」。
「それじゃ、日本の資金で缶詰工場をつくって、私が日本向けの商売をしましょうか・・・」。
イワシの周りには、イルカの群れが跳ねている。さらにその上には、海鳥が群れている。

高台から海辺に降りると、潮が引いたばかりの砂浜に、鳥の足跡が見事な文様を描いている。打ち寄せられた魚の死骸が転がっている。
海の自然の営みと恵みの循環、自然の摂理を考えさせる風景だ。
この辺りの港では、イワシの他、ロブスター・マグロ・イルカなどが取引されるという。

タカの展望台から眺めたイワシの大群の仲間だろう。昼食で塩焼きのイワシを前菜のオプションに注文すると、一皿に10匹も大きなイワシが並び、レモンが大盛りになっている。添乗員が日本から持参の醤油を出したので、「日本の味だよ・・・」と歓声があがり、美味しく食べた。夫は2匹。私は3匹。中には5匹も平らげた人もいて、大喜びの食事だった。前菜始め、中心はアラブ風の料理だ。
旅が始まって以来、胃袋は拡張気味だが、美味しいものを我慢するのは、しばし忘れることにしよう。

近くのタカ・フォート(砦)へ向かう。物見の塔として重要な睨みを効かせていた砦が、19世紀に総督(知事)の館になり、現在は博物館になっている。
タカの背後に連なるアルムック山地とドファール地方の山岳民族の生活用品が展示されている。かつての総督の生活も興味をひく。台所・子供部屋・執務室・倉庫などを備えて、活躍していた時代が偲ばれる。オマーンは、アフリカ大陸のザンジバルまで支配し、一時はイギリスと肩を並べる海洋帝国だったと、歴史を思い出す。

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