2012年4月9日月曜日

ナイル川の賜物?は




【ナイル河畔の運河沿いの農村風景】

サファガ(エジプト)④ 4月1日(金)
バスで走ること2時間。何時の間にか風景が一変し、道路沿いに樹木が茂り、花々が咲き乱れている。ナイル川に近い。
進行方向の右手の運河は、ナイル川から引かれたものだ。ところどころに集落が現れ、畑が続く。トマト・キウリ・ルッコラが栽培されている。綿花や稲が育っている。刈り取られたさとうきびをロバの背に満載して、男性がノンビリと歩いている。
家の周りの囲いには、牛・水牛・羊・山羊が放牧されている。労力として使われ、食用にもなる。この辺りの農家は、原則として、自給自足だという。
緑豊かな農村風景は、それまでの砂漠の世界とは大違いだ。

ヘロドトスが鋭く洞察したように「エジプトはナイルの賜物」だ。その世界が、目の前に広がっている。
しかし、ハイサムさんの説明では、最近はナイル川下流域の大洪水はほぼ解消しているという。ナイル川上流にアスワンハイダムが建造され、工業用水が確保され、各地に運河がつくられたからだ。
その結果、ナイル川(全長6690キロメートル、流域面積3007万平方キロメートル)流域の農業用水が減って、米の輸出国から輸入国へ、あるいはサトウキビ畑の栽培面積の減少など、農業問題が出ている。エジプトの食糧自給率は25パーセント。
最近、南の隣国スーダンと交渉して、水不足の解消の話し合いが進んでいる。
洪水があればこそ、肥沃な国土が確保できたのだから、人知を傾けても、自然を相手にするのは、「一難去ってまた一難」だ。

建築途中の家々が並ぶ集落を通る。
2階建ての家屋に、あるいは平屋建てもあるが、屋根に鉄筋のツノが突き出ている。錆びて赤茶けた鉄筋もあって、日本だったら、建築途中に倒産したのかと疑ってしまいそうだ。
なんとも奇妙だから、不思議そうに眺めていると、「いつでも増築できるように、準備しているのですよ。ここでは大家族が一緒に住むのが普通ですから・・・。まだ結婚していない子どもたちのためです」とハイサムさんが解説する。
「ヘェ〜」。何年先になるかわからないのに、農村の人々の家族の繋がりと、遠大な計画に驚く。親の意に反して、子どもが村から離れるなんてことはないのだろうか。イスラムでは当然の習慣なのだろうか。

「エジプト人の砂糖の消費量は、一人当たり16キログラム(1年間)ですよ。紅茶にはスプーンで数杯は入れます。甘いものが好きというよりも、エネルギー源になっているのです。砂糖には目がない・・・」。

おやおや、「目がない」なんて、微妙な日本語のニュアンスが飛び出したので、感心する。いずこの国でも、ガイドの日本語力には、しばしば驚かされる。

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