2012年4月23日月曜日

運河沿いの風景、通行料など




【運河沿いに立派な記念碑がある。第4次湾岸戦争の戦勝記念碑?】

スエズ運河通峡の1日⑤ 4月5日(火)

1時35分。グレートビターレイクを抜ける。
緑が豊かで、鮮やかな花々が咲き乱れる住宅が現れる。大邸宅の佇まいだから、王族や高官のお金持ちの別邸か。ここがエジプトだと忘れさせ、富の格差が大きい現実に思いは飛ぶ。

突然、コスタルミノーザ号が、「ブオー」とくぐもった汽笛を響かせる。
車と人を乗せて、両岸(アフリカとアジア)を行きかうフェリーが、船首近くを横切っていく。コンボイを組む船と船の間をすり抜けるのだから、なんと大胆なことかと、冷やっとする。

緩やかな斜面の荷揚げ場所が続く。倉庫が並び、屋外にも、コンテナが積み重ねられている。かなり大規模な物資の集積所だ。ここからは、陸路、トラックや鉄道で物資は運ばれていく。船が、エジプトの物流に重要な役割を担っている。その後も、こんな荷揚げ場所がいくつも現れる。



【スエズ運河を横切る方向の小運河から出て来た特殊な船、海軍の船だろうか】

運河を通過する船の通行料は、かなり高額らしい。それでも、アジアとヨーロッパを結ぶスエズ運河航路は、喜望峰を辿るのに比べて、時間も燃料もほぼ半分程度だという。世界経済の動脈としては貴重だし、採算は充分に取れる。
コスタルミノーザ号の場合、1回の通行で6000万円程度、乗船客は1人2万円くらい支払っていると聞いたが、高過ぎるなあ。記憶が定かではない。

魚を釣っている男たち数人。少年もいる。今夜の食事の準備だろうか。
昨夕の食事に、紅海で獲れたシーフードメニュー「スビエトの唐揚げ」があった。スビエトはイカの仲間で、日本人には好評だった。
のどかな風景を眺めながら、彼らの食生活や日常生活を想像する。

運河では、船は平均7ノット(時速13キロメートル)とゆっくり進むので、移り変わる風景を背景にして、いろんなことを思う至福の時間だ。

2時半頃、軍事施設が増えて来る。岸壁に軍用ボートが並んでいる。
第4次中東戦争のメモリアルがある。高い塔は、第一次世界大戦のメモリアルだ。未だにアラビア半島諸国の緊張があるし、エジプトの軍隊の存在は大きい。
今春のムバラク失脚後のエジプトの安定に、軍隊が重要な役割を果たしていると、何度も聞いたし・・・。

次第に都会らしい住宅が増え、遠くには近代的なビル群が広がっている。

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